ヌーシャテル A.O.P.

ヌーシャテル A.O.P.

解説

「Neufchatel(ヌーシャテル)」が愛好家によって広められ、パリジャンたちに知られるようになったのは1812年と割と最近なのですが、実はノルマンディー産のチーズでは最も古いものとされています。
形状は可愛いハート型。この地方の女性が、百年戦争でこの地を訪れた敵国のイギリス人男性にハート型のチーズを送ったことがその始まりだと言われています。

特徴

・1969年A.O.C.(原産地呼称統制)認定


・自然に皮が形成される柔らかいチーズ


・脂肪分45%


・様々な形状:円筒型、四角型、長方型、ハート型


・重さは100gから600gまで様々


・中身は黄金色。柔らかくクリーミーで、少しかびの匂いがある


・熟成の過程で発生した、うぶ毛のような白いかびで覆われている


・生産量:1,100t

ガストロノミー

強く甘い味わいの「Neufchatel(ヌーシャテル)」は、コート・デュ・ローヌといったフルーティーな赤ワインやシードル・ブーシェとの相性が抜群です。熟成が進んだものほど、力強いワインと合うようになります。
まだ若いチーズであれば、さまざまな料理の塩味や甘味と合いますが、塩味が強いチーズなので味見しながら確かめてください。

製造方法

良いペーストを作るには、カード(凝乳)を大きくして何度か軽く圧搾し、チーズにカビを少しずつまぶします。これを成型し、塩を加えます。「Neufchatel(ヌーシャテル)」は、熟成12日間までは若いチーズと呼ばれ、半熟成に3週間、熟成には1~3ヶ月かかります。


1870年、ネル・オドンの農家イシドール・ルフェーヴルは、良い貯蔵庫を持っていない農家からカード(凝乳)を集め、脱水し、自分の貯蔵庫で熟成させるという貯蔵生産の業態を始めました。彼はまた、「Neufchatel(ヌーシャテル)」のマーケティングを展開し、ロンドンへの輸出に成功しました。「Bondonボンドン(樽の栓)」や「Angelot アンジェロ(天使)」のニックネームで親しまれていた 「Neufchatel(ヌーシャテル)」は、間違いなくノルマンディーで最も古いチーズです。11世紀のシジー・アン・ブレイ大修道院の記録にこのチーズの名が残っており、18世紀には、マロルの修道院長より最高のフランスチーズの一つと認められたそうです。
「Bondon」の語源は「bonde」または「bondart」。シードルやワインの樽を閉める木栓のことで、小さな円筒状のチーズに似ていることからこの名になりました。

生産地

「Neufchatel(ヌシャテル)」の発祥地であるブレ地方は、セーヌ・マリティーム県とオワーズを含む地域。コー地方の平坦で乾燥した石灰岩地帯の中間にポツンと位置している、オート・ノルマンディー圏の湿潤地帯です。
このため、またの名を「ボタンホール」と呼ばれるブレ地方」は、以前はただの広大な湿地帯でした。16世紀になって乳製品を生み出す牧草地に生まれ変わり、やがて首都パリに乳製品やシードル酒を供給するようになりました。

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