ルブロション A.O.P.

ルブロション A.O.P.

解説

サヴォワ県産の「Reblochon(ルブロション)」は、農民たちの創意工夫と熟成の恵みがもたらしたチーズです。
フレンチアルプスの一部、石灰岩の多いアラヴィ山塊。その谷間にできた牧草地、トーヌの谷がこのチーズのふるさとです。かつて、農民たちはここで牛を飼育し、牛乳の生産量に応じて牧場主から収入を得ていました。実は、全部申告せず、ごまかして二度目に絞った牛乳から生まれたのがこのチーズ。「Reblochon(ルブロション)」は、「re-blache(二度目の搾乳)」を語源としているのです。

特徴

・1958年A.O.C.(原産地呼称統制)認定。


・生乳と脂肪分から作られ、非加熱で軽く圧搾したチーズ


・脂肪分45%以上


・「Grande Reblochon(グラン・ルブロション)」:直径13cm、厚さ3.5cmの平たい円柱状、重さは450gから550gまで


・「Petit Reblochon(プチ・ルブロション)」:直径9cm、厚さ3cm、重さは240gから280g


・皮はオレンジがかったサフラン色で、白色の「ムース」で覆われている


・生産量:16,900t

ガストロノミー

クレピー、アビーム、ルーセットといったサヴォワ産のフルーティーな白ワインを冷やして合わせれば、「Reblochon(ルブロション)」のデリケートな風味が完璧に引き立ちます。
このチーズの甘く香ばしい風味を、タルトや詰め物料理と合わせてみましょう。ジャガイモ、ベーコン、玉ねぎ、そしてもちろん「Reblochon(ルブロション)」を材料とするタルティフレットというグラタンは、サヴォワの代表的な郷土料理です。夏から秋にかけて、ハイシーズンの牧草地で作られたものは、特に風味が豊かです。

製造方法

搾乳後、牛乳を温めレンネット(凝乳酵素)を加えたら、カード(凝乳)を丁寧に小さくカットし、型に分け入れます。アナトー色素溶液で洗浄し、規則的に上下を返しながら2~3週間熟成させると、思わず手を伸ばしたくなる 美味しいチーズになります。
型に数時間おもりを乗せておくと、水分が完全に抜け、軽く圧搾されます。これを一度塩分を含む水に浸けた後、4~5日乾燥させます。


13世紀、トーネ渓谷で「Reblochon(ルブロション)」は生まれました。牛を飼育する農夫たちは、牛乳の生産量に応じて割り当てられた給与を牧場主からもらっていました。ある日、牧場主が生産量を測定していたところ、農夫たちは全部搾乳しないまま作業をやめました。牧場主が帰ったあと、農夫たちはこっそり搾乳を再開したのです。
二回目にしぼられた脂肪分の高い牛乳が「Reblochon(ルブロション)」の原料となりました。1920年代、特に「Reblochon(ルブロション)」がさかんに取引されたのは、ル・グラン・ボルナンの市場でした。実は、この市場、夜間に開かれるという珍しいものでした。山から下りて来た男たちと商人たちが、週に1度、深夜12時半から取引を始めていたのです。

生産地

「Reblochon(ルブロション)」の生産地は、サヴォワ県とオート・サヴォワ県、アラヴィ山塊の緑地帯、ロショワ地方、アボンダンス渓谷を含みます。
厳しい気候からは、耐性の高い牛が育ちました。タリーヌ種、モンベリアルド種、アボンダンス種などです。豊富な種類の高山植物を食べる牛たちは、とてもクリーミーなミルクを出します。「Reblochon(ルブロション)」のビロードのようでフルーティーな風味は、そのミルクから生まれたものなのです。

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