ミモレット

ミモレット

解説

オランダとフランスが互いに原産地を譲らないチーズ。
「Boule de Lille(ブール・ド・リール)」や「Vieux Lille(ヴュー・リル)」の別名もありますが、「Mimolette(ミモレット)」は「柔らかい種」という意味です。
実際は、熟成が進んだ硬いチーズなのですが、オランダの「Commissie Kass(コミッシーカース)」と区別するため、「柔らかい」と呼ばれるようになりました。

特徴

・非加熱圧搾チーズ


・脂肪分40%


・上下部分が平らな直径20cmの球形


・重さは2.5kg~4kg


・皮は硬くひび割れ、灰色から茶色を帯びている


・中身は黄土色、または赤みがかった色で、穴はほとんどない


・生産量:4,000t

ガストロノミー

Mimolette(ミモレット)」は、朝食、ランチ、食後など、いつでも楽しめるチーズです。また、おろし金ですりおろせば、さまざまな料理に使うこともできます。
おもてなし用には、フルボディの赤ワインと共に。また、シュシュムレット (ジンベースの食前酒)や強い風味のビールなどもよく合います。

製造方法

酸味を取り除いて低温殺菌した牛乳にレンネット(凝乳酵素)と二種類の乳酸菌を加え、30分かけてカード(凝乳)を形成します。カード(凝乳)の水気の切り方には、独特の時間配分があります。まず、ゆっくりと攪拌しながら、徐々にその速度を上げ、合計10分間攪拌します。その後、攪拌をやめ、乳清を5分の1ほど容器から取り出します。再び、高速で15分間、攪拌します。今度は残った乳清を完全に取り除き、取り出したカード(凝乳)を洗浄します。充分に時間をおいた後、今度はカード(凝乳)を塩水に漬け(チーズをしっかり引き締めるため)、再び洗浄します。その後、顆粒ほどの大きさ(トウモロコシの粒くらいの大きさ)のカード(凝乳)を攪拌します。洗浄のために入れた水分を捨て、カード(凝乳)を容器の奥深くに押し込めて成型し、切断します。仕上げとして、表面にブラシをかけます。チーズはカロテノイドを含むため、オレンジ色を帯びています。型に入れて24 - 36時間プレスし、室内で定期的に上下を返しながら、3ヶ月熟成させます。

 

「Mimolette(ミモレット)」には2種類あります。まだ若いうちに出荷する熟成の浅いタイプと、長期保存向けに長期間熟成させる熟成タイプです。良質の「Mimolette(ミモレット)」ができるのは、5月または9月です。熟成タイプは、熟成期間によって、3カ月程度の「若い」タイプ、6-8カ月程度の「半分熟成」タイプ、12-14カ月程度の「熟成」タイプ、18-22カ月の「エクストラ熟成」タイプの4段階に分けることができます。熟成の工程で、このチーズ特有のフルーツとナッツの香りが強くなっていきます。


オランダ戦争(1672~1678年)中、フランスの財務総監コルベールは、オランダからの食料輸入を経済制裁により禁止したため、フランス軍に配給する食料としてプレスしたチーズを作ることを奨励しました。またコルベールは、オランダ産のチーズとフランス産のチーズを区別するため、フランス産のチーズに着色するよう要請しました。それ以来、オランダ人は「フランス風」として、赤いワックスでチーズを包むようになりましたが、実はフランス産ミモレットは、中はオレンジ色ですが、表面は灰色です。
同じフランス国内でも、オランダとの商取引が盛んだった港に隣接した地域(マース川、ノルマンディー、ボルドー)では、「Mimolette(ミモレット)」の生産が発展したのは比較的遅い時期になってからでした。

生産地

以前はフランス北部のみで生産されていました。北部は現在でも最大の消費地で、伝統的な熟成法を守り続けています。現在では、カルヴァドス県、ロワール・アトランティック県、フランス東部で生産されています。

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