カンコイヨット

カンコイヨット

解説

ある詩人に「フランシュ・コンテ圏の至る所で、ペチコート姿の女性も、パンツ姿の男性も、誰もが「Cancoillotte(カンコイヨット)」を堪能する」と称えられたチーズ。
家庭で親しまれている極上のチーズで、オート・ソーヌ県の住民は、昔からこのチーズをふるさとの誇りにしています。

特徴

・メトンという脱水したカード(凝乳)からできたチーズを溶かして製造


・脂肪分は10%


・柔らかく均質的な液状で、あざやかな色味


・白色から麦わら色で、甘い風味


・100-500gの瓶詰めに


・生産量:4,000t

ガストロノミー

冷やすか、少し温めて食べるとおいしいチーズです。そのままでもタルトにしてもおいしくいただけます。また、ベイクドポテトにかけたり、フレッシュチーズや溶き卵と混ぜたフランシュ・コンテ圏の郷土料理「シェネル」など、さまざまな料理にも使われています。
ジュラ産のワインなら、赤、ロゼ、白、すべてによく合います。

製造方法

「Cancoillotte(カンコイヨット)」はメトンというチーズからできています。メトンは、脱脂乳から作られたカード(凝乳)を温め、攪拌、プレスした後、塩を加えて5~6日間熟成させたものです。そのメトンに水とバターを加え、110°Cで6分間、部分減圧器にかけて混ぜ溶かし、温かいうちにプラスチック製の瓶または缶に詰めたものが「Cancoillotte(カンコイヨット)」です。


オー・ドゥー高原の伝説によると、「Cancoillotte(カンコイヨット)」は、カンコイヨットとヨートゥスという2人の巨人のケンカから生まれたのだそうです。ケンカの最中、ヨートゥスはいろりに落ち、バターミルクの容器を倒してしまいました。こぼれたバターミルクは、いろりに置いてあったやかんに入りました。そこでできたのがおいしいチーズ。ケンカに勝ったカンコイヨットの名前が、この新しいチーズに付けられたと言うわけです。
いわゆる「低地諸国家」では、都市向けにチーズを生産・販売するため農協に牛乳を集めるという作業を行っておらず、乳脂はバターの原料になり、残った脱脂乳からメトンが作られていました。19世紀末になって地方で売られていた「Cancoillotte(カンコイヨット)」がヒット商品となり、パリの乳製品販売所に登場するようになりました。
『饗応の手引き』の著者として有名な美食家、グリモー・ド・ラ・レニエール(1758~1838年)は、リコッタチーズ全般と比較して「Cancoillotte(カンコイヨット)」を紹介しています。

生産地

産地は、山間地域であるフランシュ・コンテ圏。フランスで最も森の多い地域で、見渡す限り、大自然の平原や森林が広がっています。
また、滝や湖からの流水が得られる地域でもあります。

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