カマンベール

カマンベール

解説

「Camembert(カマンベール)」は、恐らくフランスチーズの中で最も有名なチーズでしょう。チーズボードには必ず登場するチーズの王様。少なくとも最も人気があるチーズではないでしょうか?また、実にさまざまな料理で素晴らしい役割を果たしています。
伝統的に生乳で作られてきましたが、現在は主に低温殺菌乳から作られています。

特徴

・ノルマンディー産は1983年A.O.C.認定


・自然に皮が形成される、柔らかいタイプのチーズ


・脂肪分45%


・平らな円柱形で、直径10.5cm~11 cm


・重さは250g以上


・白色から黄色がかったクリーム色で、柔らかい皮が形成


・表面はビロードのような、白くふわふわしたカビで覆われているが、赤いシミが出ることがある


・「Camembert AOC de Normandie(ノルマンディーA.O.C.)」は、生乳のみで作られ、スプーンで型に移される


・生産量:145,768tのうち、A.O.C.認定品は約14,300t

ガストロノミー

「Camembert(カマンベール)」は、料理に幅広く利用できます。
表面を取り除いて生クリームと混ぜると、仔牛肉、鶏肉、魚に合うクリームソースになります。りんごとチーズのタルトなど、おしゃれなレシピにもお使いいただけます。

製造方法

まず、原料の牛乳を温めレンネット(凝乳酵素)を加えてできたカード(凝乳)をスプーンで型に入れます(1個の「Camembert(カマンベール)」に対し、60分間隔で5さじ)。翌日まで静置し、ホエー(水分)を抜き、反転させて上下をひっくり返します。次に、塩と酵母を加えます。すると、チーズは薄く白い表皮に覆われます。これを15日間熟成させて香りを引き出します。
牛乳を低温殺菌することで、製造の機械化が進み、特に凝固速度が促進されました。固まったカード(凝乳)は、凝固用の器の中に入れたまま、成型しやすいようにキューブ状に切り分けられます。


1791年、ある神父がフランス革命の影響を避けるため、ブリー村からカマンベール村に逃げてきました。カマンベール村のボーモンセル農場で、神父はマリー・アレルという女性にチーズの製法を伝授しました。そして新鮮なチーズはケースに梱包され、世界中の大陸へ輸送されるようになったのです。
「Camembert(カマンベール)」がポプラの木で作られた丸いケースに入れられ、長い輸送に耐えられるようになったのは、実に革命的なできごとでした。19世紀末、このケースを発明したのは、リロイとリデルという2人の男性です。当時のケースは、長いポプラのかんな屑をびょうで止め、円盤状のごく薄い木片を2枚つないで作ったものでした。

生産地

「Camembert(カマンベール)」の生まれ故郷は、リジュー周辺のオージュ地方。温帯で湿度の高い、小さな谷間です。
春には、木骨造のコロンバージュ様式の華やかな家が立ち並ぶ中、秋には赤い実をつける姫りんごの白い花が点在する風景が見られます。
ノルマンディーのチーズ職人たちの商業的熱意が実り、「Camembert(カマンベール)」は世界の隅々に提供されるようになりました。かつて、地方の特産品は知名度もなく、充分な保護も受けていませんでしたが、第一次世界大戦の頃から、こうした特産品が人気商品になっていきました。
現在「Camembert(カマンベール)」がアイスランドを通り越してブラジルから日本にまで行き渡っていることが、このチーズが万人に受け入れられ、人気を博している証拠と言えるでしょう。

プレジデントのカマンベールについて

1968年に設立された「Président Camembert(プレジデント カマンベール)」は、「どこでも同じ商品を消費者に提供する」という革命を起こしました。生乳で作るカマンベールはクオリティにばらつきがありますが、プレジデント社の低温殺菌「Camembert(カマンベール)」では高い品質が保てます。
商品名とグラフィックが目立つパッケージで、一目で他メーカーの製品と見分けがつく「Pr
ésident Camembert(プレジデント カマンベール)」。パッケージにはさまざまな情報やイラストの他、19世紀末に誕生したラベルとロゴも必ず入っています。このデザインは、20世紀初頭には既に広く知られていました。

« フランス産チーズ一覧に戻る

関連情報